1123758532*衆議院解散に必要な憲法手続きを飛ばした?


私をご支援下さっている作家の宮崎学さんのサイトから抜粋。
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憲法違反の小泉郵政解散を糾弾する

 衆院解散は、正当な理由と適法な手続きがあって初めて可能だ。「正当な理由」とは、理屈だから何とでも言える。百歩譲って小泉首相の理屈も認めよう。

 だが、「適法な手続き」とはごまかせない議会手続きである。

 小泉首相は「国会が郵政民営化法案を認めなかったから、衆院を解散して国民の意思を問う」と、解散の理由を記者会見で公言した。

 厳密な手続き論を言うと、「参院で法案を否決したので衆院を解散する」となると、これから参院では法案を否決できなくなる。参院に否決権はないという参院審議権を制約するもので、二院制の本旨にも反する。衆院を解散したいなら、衆院に返付された郵政民営化法案を再議するか、両院協議会に諮るか、廃案にするかという衆院の判断を協議する場をつくり、その中で衆院のあり方について、解散権を行使するのが憲法上の手続きである。…
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…この解散は憲法上無効である可能性があるということですか。


改憲論争は忘れ去られておりますが…
総理大臣が、参議院に自分の出した議案を否決されたからといって、むやみに衆議院を解散してはなりません、っていう条文を憲法に追加してほしい。

参議院が良識を示した

NHKの中継を見ながら、グリーンの札を指折り数えていました。ふと気づくと、テレビからも、
「カシャン…カシャン……」と
静かなカウンターの音が。
テレビ局の中で誰かもカウントしてるのね、と思うとちょっと面白かった。

結果、
賛成 108   反対 125

郵政関連法案6案一括で、否決だ。
参議院が、良識の府としての存在意義を発揮した、そう思った。


暴力(脅し)、カネ(飲み食い、選挙費用)、民意(民主主義)軽視
「可決しないと解散する」とか「反対したら公認しない」と脅したり、大金をじゃぶじゃぶ使って飲み食いに費やしての多数派工作、「否決は不信任だ」と自分の一方的解釈ばかりを主張するコイズミ氏、それから、全国の地方議会が送った「拙速な民営化に反対」の意見書や決議の無視など、進め方がとにかくいただけなかった。

暴力や金に頼る政治の時代は終わらせていかないといけないよ。


夏の選挙

暑い最中の都議選が終わったばかりだというのに、この暑さの中で、死んじゃう候補者が出ないことを祈るばかりです。
選挙運動はとにかくハードですから。
朝の通勤客への遊説に始まり、午前、午後、夜と食事のヒマすらないほど歩き、話し、マイクを取り、夜中まで会合や選対の会議があったりします。加えて真夏の暑さです。
ご高齢の方など、本当に心配です…。
(こうした選挙スタイルは、身体に障害のある方やお母さん候補者などのことを考えると、もっと見直してほしいものだと思います)


命名合戦

世の中、この選挙の命名合戦になってますね。
郵政民営化解散」「自爆テロ解散」…?
「自民お家騒動解散」「コイズミわがまま解散」「民主見込み違い解散」
…いずれにせよ、投票には必ず行きましょうね。


ドイツの郵政民営化

夫から電話がかかってきた。彼はドイツ人で日本の大学で政治学を教えている。

「テレビで見たよ!自民党は新しいグループに分かれるね。コイズミには、変な髪形とか、“感動したっ”とか、そんな印象しかなかった。ロビンフッドみたいな感じがする。でも自民党の中に他にはコイズミみたいに大衆の人気を集められる個性の人はあまりいないんじゃない?」

「ドイツの郵便制度は民営化し、どんどんコスト削減していった。民営化のあと、値上がりしたよ。封書は1通150円(1ユーロ)。昔はその半額くらいだった。郵便局も少なくなったよ。経営は好転した。公務員の首切りはなかったけど、今郵便関係の労働者は少ないよ。ほかの宅配業者も頑張ってるけど、まだ手紙の配達はやっていない。日本では郵便局がたくさんあるよね。それは絶対なくなると思うよ。それはみんなコンビニの中に入っていくことになると思う。コンビニは24時間営業で便利だしね。」

そんなことを言ってました。
家族に外国人の政治学者がいるって、こういうときホントに面白いと思う。


キーワード

報道を観ていると、わずかの時間にキーワードがどんどん摩り替わって行く。

「脅し政治への反発」 が、 「郵政民営化に賛成か反対か」 へと。

違うじゃん!
民主も民営化は最終的に受け入れると言っている政党だよ。それは参議院でも表明されていた。

夕方のNHK番組でコイズミが演説ぶっているような話は、参議院での民主党反対討論では全く触れられてないようなことばかりだ。
参議院郵政民営化は必要ないという判断がされた」と言うのは単純化しすぎている。法案の否決は事実だが、民営化の考え方が否定されたわけではないのだ。
国民はテレビ中継の民主党の討論を理解してないとたかをくくり、ナメているとしか思えないような発言だと思う。


外枠と中味がごっちゃになっている(わざと混同している?)
修正、継続を認めず、白黒つけよとゴリ押しのみで、さもなくば解散だ、と、論議を尽くさないことが問題にされたのに、それを棚にあげるあのやり方、再開発が争点になった小金井市議選の時と全く同じだ。

小金井市長とコイズミはよく似ていると思う。

外枠と中味の議論をわざと混同させることによって、有権者を惑わし、「反対派は改革にも反対」と思い込ませようとする意図が感じられる。
反対派は今の段階では、郵政法案の不備を正せ、ということまでしか言っていないのに、もうそんな問題は「反対派はとんでもない」の宣伝に押しやられそうになっている…。


国会の仕事は郵政民営以外にも
そしてもう1つ、困るのは、憲法改正問題が争点から忘れられそうなこと。
こちらは粛々としっかりと草の根、市民運動でやっていきます。それが私に出来ること。

衆議院議員の自殺

郵政民営化に本当は反対なのに党議拘束で白票(賛成票)を投じた衆議院議員が自宅で首吊り自殺をされました。

議員になられてまだ2年しか経ってない。しかも元官僚で党や組織頼みの選挙で当選してる。悩んだ結果なのか、表に出ていない他の要因があったのか。

心よりご冥福をお祈りします。

この大事な局面で命を絶つなら、せめてちゃんと遺書が残されていてほしい。どこかにあるといいんですけど。

遺書のない自殺ほどミステリーなものはない。
生き残った人がいいように論評するけど、結局真実は闇の中になってしまう。

でも遺書があったとしても、「死にます、とこの紙に書いたら助けてやる」って言って、書かせてベランダからドン!なんていう手口もあるとかないとか…。こわいこわい。(走り書きの遺書はあやしいと私はいつも思う)

まさに政治の世界は生き馬の目を抜く世界とはよく言ったものだと常々思います。これ友人の保守系議員も言ってたな。


板ばさみ
自分自身、再開発予算がらみでは議会のキャスティングボートに立たされ、連日の説得攻勢にへとへとになっていた。
寿司屋や個室の料理屋に色んな人から呼び出され、やさしくやさしく説得を受ける。あの居心地の悪さといったら!
私はいつも直球勝負で、いい提案は当局が呑んで当然と思っているから、私の提案がその時期次々と受け入れられる異常現象を、私の予算賛成への条件とは捉えないでいました。
でも相手にとっては多額の駅前再開発予算を含む予算への賛成議員を増やすための投資だったわけです。

結局私は自分を支持する人たちが大切に思うところを裏切れないと、予算を退席してしまうんですけど、そのとき、書きましたよ、「議員辞職届」というものを。

あーそれこそ今議員じゃないから書ける話です、これは。

辞職届を事務局にもらうときも、信頼できる事務局職員にだけ頼んでこっそり持ってきてもらったのでした。あの職員の表情、一生忘れられない。神妙な顔で、誰にも見つからないようにとお願いしたとおり、しっかり届けてくれた。めったに出る文書じゃないですからね、わざわざパソコンで作成しなくちゃいけなかったみたい。今でもあの方には感謝してる。

「こういうもの、準備しました。」
と当局のトップに見せると、
「そんなことしないで下さい(焦)」
と言われたけど、私にしてみれば、これまでの予算編成への打ち合わせそのものへの義理は感じていたし、ここへ来て肝心なところが満たされないといって、相手にしてみれば努力が水泡に帰すとなれば、相手のモノサシ上ではきっと「裏切り」の一種なわけだから、このぐらいの姿勢は見せる必要があるという意識があった。
「じゃ、私の議決態度をご覧になってどうしても許せないと思ったら、いつでも事務局に提出していいですから」
と当局関係者の胸ポケに預かってもらったのです。
それはある意味その方の良心に踏み絵を預けたようなものでもありました。

辛かったなぁ。
議決では賛成せず、退席。でも自分の選択に恥じるところはない。

私の反対理由は

  • 再開発で建設予定の25階建て住宅ビルの地下構造が地下水脈を傷つけるということと、
  • 上層階が景観を乱さないよう外観の緑化を約束されたにもかかわらず実現は不可能であることが判明した、

というもの。

私の退席で可否同数になり、議長裁決で予算案は否決になりました。

その後数日してからその人に呼び出されて、
「お返しするものがあります」
と辞職届を封筒のまま返された。
正直ホッとしましたけどね。(笑)


批判されても良心は譲れない
私の立たされた状況や、数多くの打ち合わせの複雑さ、そしてどうしても譲れない線を当局が満たしきれなかったことなど、細かなディテールまではなかなか一般に説明しずらく、案の定理解もされなかったから、そのことでめちゃくちゃに地元新聞や口コミで批判をされたし、根も葉もない噂を流されたり、イタ電が来たり、ひどかったです。

でも、自分があそこで取った態度に、誇りを持っています。

今でも言われますよ。
「どうせ成功しない再開発なんだから、ポーズだけでも賛成の態度を取ってれば、選挙であんなに叩かれて落選することはなかったんじゃないの?」ってね。

でもさ、自分の心にウソはつけないじゃん。(^-^)